「2006雪解けの尾瀬」
平成18年6月3日 (ハイキング)
たらっぺ山の会 茂嶋 (筆)

   
   
6月3日、尾瀬が原に行ってきました。


雪の尾瀬も、花の尾瀬も、紅葉の尾瀬も良い。通って続けて30年。 100回近くの山行を重ねて、なお飽きない。この30年で尾瀬の 環境もずいぶん変わったように思う。


木道が整備され、立派なトイレ が出来、小屋の設備が良くなった。でも一番変わったのは、尾瀬を 訪れる人だ。なかには日傘にスカートにサンダルと言う人までいる。


数年前の秋、薄暗くなった大清水に下山する林道で若い女性数人 に「長蔵小屋ってあと何分くらいかかりますか?」と声をかけられた。 彼女らはそれぞれに、ブランド物の旅行かばんを提げている。 まさに旅行である。尾瀬が身近になったのは良いことだと思う。 しかし、お手軽観光地として誤解されてきている。「この時間では 山中で真っ暗になり、尾瀬沼には着けないですよ。無理です。」 忠告もむなしく、山道を行った彼女達は果たして小屋にたどり着いた のだろうか?


また、これも数年前、背広に黒いビジネスシューズを 履いた中年のビジネスマンが、添乗員を捕まえて「何で、山だと 言わなかったんだ!」と胸倉を掴まんばかりに苦情を言っている 光景に出くわした。背広と靴は途中何回も転倒でもしたのか、 惨めなほどに泥で汚れていた。どちらに問題があるのか? 旅行の延長で尾瀬に誘う旅行社か?何も考えず観光地の 気分で参加する客か?どちらにも問題があるのだろう。


少なくとも30年前には出会わなかった人達である。 それでも今年も湿原の雪が溶け、水芭蕉が顔を出すと、会いに 行きたくて足を向けた。
雪解けの尾瀬ヶ原
水芭蕉と至仏山
木道のハイカーと至仏山
尾瀬ヶ原の池塘と至仏山
水芭蕉と至仏山
木道と燧ヶ岳