「白馬エリア遠征」
自 平成19年2月16日
〜至平成19年2月22日
たらっぺ山の会 石橋 (筆)

T はじめに
3月から就職することになりその前に心に惹かれていた白馬エリアへ一週間ほど遠征に行ってきました
U 2月16日(金)快晴 コルチナ国際スキー場 メンバー:石橋
本日はプロの方に山岳滑降の基本を教えていただく。場所はコルチナ、昨日の降雪でゲレンデもほぼリセット、ローカルが続々と集まってくる。トップに位置しリフトが運行するまでのプチ緊張感、久しぶりです。大げさですがボード並みに太いスキー板には驚いた。稗田山2コースを始めに滑りましたが40°ほどの斜面が底まで続き山以上の歓喜。雪も底付きなしで今シーズン最高の一本を味わうことができた。その後は山の地形を想定した滑りを教えていただくが、ためになることばかりで目から鱗がおちるほどのものだった。意味がわかりませんが「さすが白馬」。
V 2月17日(土)快晴 焼山北面台地  メンバー:石橋・深谷山岳会(松葉口・永野)
笹倉温泉(7:00)→アマナ平(10:30)→約1800地点 (13:00)→笹倉温泉(16:15)

今日は急遽、深谷山岳会の松葉口さん・永野さんと頚城の焼山を滑ることになる。私は昨日に笹倉温泉に移動して早めに就寝。朝、松葉口さんに起こされる。深谷からさぞかし大変だったろうに。スキーヤー2人が先行する。雪は先行のトレースもありスノーシューズを履けば歩行もはかどる。樹林帯をすぎると焼山がくっきりと姿を現しモチベーションも高まる。北面台地はまばらな樹林の緩斜面が延々と続き、山頂に行くには火打山側から取り付かなければいけないらしく時間のことも考え北面台地をいけるところまでつめることにする。前の2人はテレマークスキーで雪質の良いところから滑り始め綺麗なターンが決まり至福な時を味わっていた。もう少しだ。雪もクラストし始めスキーヤーが滑り始めた地点までとする。各々滑降の準備にかかる。日本海に向かって出だしはオープン、下部もほど良いツリー、斜度も適度、雪質もパウダー最高の条件の中、松葉口隊長がドロップする。シーズン初滑りなのにターンがきまっている。あっというまに小さくなってしまう。次は永野さん、うれしくて緊張している様子。スタートするとシャッターを押すまもないくらい早く中間地点まで行ってしまった。スキーなのにスプレーがたなびいていた。やっと順番がきた。まずはこの山の雪に慎重にワンターンを決める。重めのパウダーだ。メローでロングな斜面にターンを刻んでいく。北面台地が終わると起伏のある樹林に入りスノーシューズを付けたり板を付けたりしながらいく。林道から笹倉温泉までは快適に滑ることができた。今までに体験したことのない景色と斜面であった。焼山温泉で疲れを癒し糸魚川の有名寿司屋で上寿司を食べる。(就職したら特上にしよう。)
松葉口さん・永野さんは黒姫山へいくとのことで別れ私は白馬へ戻る。
  
焼山


北面台地滑降




W 2月18日(日)霧 栂池スキー場 ゲレンデスノボー 飯塚・石橋・他2名
今日は、三重県支部の飯塚さんが会社の人達と栂池スキー場に来ることになりゲレンデを一緒に滑ることになる。天気も悪いし昨日の疲れもありちょうど良い。朝のうちは重いパウダーを楽しめたが客が増えるにつれグサグサのコンディションとなりワンメイクの台で飯塚さんとセッションする。飯塚さんは白馬にワンシーズンこもったこともありオールラウンドな滑走ができる。二人ともオジサンボーダーだけど若造たちに比べまだまだ、いけている?気がした。お昼で別れ次回の山行で会うことを約束する。
 
飯塚さん
X 2月19日(月)曇り 白馬乗鞍岳滑降 石橋
栂池スキー場トップ(9:30)→栂池ヒュッテ(10:30)→白馬乗鞍岳(13:00)→船越の頭(14:30)→栂池天場(16:00)

今日は栂池ヒュッテ付近にテントを張り明日の白馬大雪渓滑降に向けて船越の頭付近までルートをつくる予定だ。栂池スキー場のゴンドラに乗りゲレンデトップから栂池ヒュッテまで向かう。天気はあいにくの曇りだけど暑くなくて良い。夏道の林道をショートカットして行くと一時間ほどで栂池ヒュッテに着く。栂池自然園の大雪原のほとりの風当たりの弱そうな場所にテントを張った。すぐに天狗原への急斜面を登る。雪は表面がクラストしていてスノーシューズでなんとか登れた。ガスが出ていたのと翌日の目印に赤布を巻いく。天狗原に近づくにつれガスが抜けてきた。というより雲海の上にでたようだ。白馬乗鞍岳の大斜面が眩しい。週末は大勢の人で賑うであろうこの場所も平日のため独占だ。急で雪崩そうな斜面だけど安全なルートを取り登りきる。上部はアイスバーンだった。白馬乗鞍岳の山頂は広くガスが出ると迷いやすい。正面に船越の頭が現れてきた。白馬大池へ下り小休止。この時期は池も雪原だ。船越の頭から白馬大池へ滑るラインを覚えておく。翌日のためパックされた雪をよく踏み込み、船越の頭から白馬大池へ滑る。あとは白馬乗鞍の大斜面をクルーズして天場に戻った。
 
白馬乗鞍大斜面
Y 2月20日(火)快晴 白馬大雪渓 石橋
栂池ヒュッテ天場(3:00)→白馬乗鞍岳(5:10)
→小蓮華岳(7:15)→白馬岳(10:05)→頂上宿舎(10:45)→猿倉(11:30)→二股(12:45)→岩岳スキー場(13:50)→栂池スキー場(15:30)

今日はここにテント等をデポして白馬大雪渓の滑降だ。朝3時に出発する。星あかりがあるもののさすがに暗く。昨日付けた赤布の目印が役立ちトレースを外さず天狗原までたどり着く。白馬乗鞍岳の山頂までくると気温も低く、手先が痛くなる。白馬大池でアイゼンを付け、防寒仕様とする。雪はパックして波打っているものの膝下くらいまで潜り難儀する。小蓮華岳までくると白馬三山が真近にはっきりと眺められ気分が高揚する。白馬主稜は山頂に続く急峻な雪稜が恐ろしいほどに美しく恐怖を感じてしまう。ここからはアルペンムードがバリバリ漂い余裕がなくなってきた。立山方面(正面)からの風も強くなりスノーボードが抵抗になり歩が鈍る。飛ばされるほどの風は無かったが時たまの強風時はボードを寝かせしのぐ。一応、山頂に着かなかった時のため白馬沢右又は頭にたたきこんでおいた。三国境までくると本当に風が強くなり弱気になってきた。自身を鼓舞してなんとか山頂に辿りつく。白馬大池からのルートは最後が意外と悪く予想外だった。大雪渓側の頂上小屋までくると風は弱まる。予定時間を大分オーバーしてしまったので軽く食事をしてすぐに滑降準備にかかる。葱平付近は雪がうっすら程度でアイスバーンだったので緩むところまで下る。まずまずのパウダーで期待大。白馬尻までオープンでワイドな斜面が延々と続いている。デブリもでておらずほぼフラット。完璧。気持ちを落ち着かせいざドロップ!ターンなんてきりたくないないけどこけたら埋まるので気持ちよくドライブの効いたアールを描く。白馬尻付近まで来るとモナカ雪化してスピードを緩めると板をとられるようになる。う〜ん最高だな。アルバイトは辛かったけどそれだけの代償は十二分にあった。猿倉までは2回ほど板を外したが滑っていけた。ここで大休止をするが興奮気味のため落ち着いて休むことができなかった。二股まではダブルストックでノンストップで滑れた。下界は春の陽気だった。岩岳スキー場まで歩きバスで栂池スキー場に戻ったが栂池ヒュッテの天場の回収に行くとスキー場ヘツ電滑降になるので明日に持ちこした。
 
船越の頭


白馬大池

Z 2月21日(水)快晴 栂池ヒュッテ 石橋
栂池スキー場トップ(8:30)→栂池ヒュッテ(9:40)→栂池駐車場(10:30)

朝一番で栂池ゴンドラに乗り栂池ヒュッテへテントの回収へ行く。疲れてはいるが気持ちは軽く天場まではあっという間だった。栂池自然園からは昨日歩いた小蓮華から白馬へのスカイラインがはっきりと眺められた。荷物をザックに詰め林道コースでスキー場に滑り込みゆっくりとゲレンデクルージングを楽しみ終了。その後は車内の整理等をしてサンアルピナ鹿島槍スキー場へ移動する。スキー場からの鹿島槍の眺めが最高だと聞いていたので眺望するため一回券を購入して上がる。本峰・鎌尾根・東尾根・天狗尾根・荒沢奥壁をはっきりと見ることができた。白馬は明日まで天気がもつとの予報。急遽帰るのを辞め不帰三峰のDルンゼを滑ることにする。八方スキー場へ移動して明日に備える。
 
白馬主稜


白馬頂上


大雪渓
[ 2月22日(木)快晴 不帰3峰Dルンゼ 石橋
ゴンドラ始発に乗る。トップまではリフト2本乗らなければならず、八方池山荘出発が9時になる。雪はクラストしているのでアイゼンを付ける。第二ケルンまで来ると不帰の峰々が姿を現す。ついにでてきた。2峰ほどではないがDルンゼも急峻だ。雪質如何だが楽しめそうな気がしてきた。丸山ケルンまでノンストップ。ここで風が強くなりきっちりと装備する。2峰と3峰の間から派生するAルンゼを狙う大阪から来たスキーヤーとここからは一緒に行く。正月のDルンゼを滑ったらしく雪庇の弱点を丁寧に教えてくれた。唐松岳の山頂からは唐松本谷が綺麗に下部までつながっている。剣方面もはっきりと望め御前谷・内蔵助谷・真砂沢・別山沢とたんまりと雪がついていた。あとは雪質が良いことを祈るだけだが?大阪の方とは握手をして別れる。Dルンゼ入り口で入念に準備をして滑降に移る。小さいが雪庇から入らなければならないので雪質がわからなく不安ではあったが、アイスバーンでなければいけるはずなので落ち着いてドロップする。案の定、雪は硬くウインドパックされていたのでターンを繰り返し高度を下げる。本谷まで一気に落ち込んでいるので高度感はバツグンである。2峰下部までくると気持ちよくターンを刻めるようになりホットするが、雪質は超モナカで中身も密度が高く今までに経験したことのない悪雪だった。スピードで雪を切り裂いていく。不帰沢との合流点は大きなデブリが堆積していて脇を強引にぬけていく。南滝は右岸を高巻く。この付近は両サイドからのデブリがすごく、板を何度も外しての通過で肝を抜かしてしまった。堰堤までくると沢も広がり安心することができた。ここからは左岸の林道を辿り二股まで行くことができた。八方尾根から派生する沢を眺めながら降りてくることができたが上越方面にくらべると谷が深く大きいのでワンランク以上レベルが高く感じられた。二股からスキー場の駐車場まで今回の白馬遠征を省みながらテクテクと戻る。白馬は滑るということではアルパインモードが楽しめる国内でトップレベルのエリアであると再認識することができたし自信の山岳滑走技術もまだまだであることがわかり要レベルアップという最高の課題を発見できた遠征だった。

ありがとう白馬!!
 
不帰岳


不帰3峰Dルンゼ


唐松沢本谷

アマナ平 焼山 日本海
山頂下部 大斜面 天狗原のダケカンバ
白馬大池 三国境への稜線 白馬山頂直下
白馬山荘 大雪渓入り口 大雪渓
二股への林道 無名沢入り口 唐松岳山頂
唐松本谷 エントリーポイント デブリ
南股入林道