「乗鞍岳―小蓮華山―雪倉岳―朝日岳―(栂海新道)−親不知」
平成19年8月13日〜16日(縦走)
たらっぺ山の会 中(筆)
参加者:中島・寺沢・中

 
1.行 程
8月12日
本庄(中宅 15:00)−本庄IC−藤岡JAC−長野IC−白馬―八方第五駐車場

8月13日
八方第五駐車場―バスターミナル(6:15)−栂池高原―(ゴンドラリフト、栂池ロープウェイ)ービジターセンター(7:40)−乗鞍岳(10:00)−白馬大池(10:30)−小蓮華山(12:30)―三国境(12:30)−雪倉岳避難小屋(15:00)

8月14日
雪倉岳避難小屋(5:00)−雪倉岳(5:30)−赤男山脇の水場(7:30)−朝日岳(9:40)−分岐(10:10)−黒岩平(14:00)−サワガニ山(15:30)−犬ヶ岳手前の水場(16:30)−犬ヶ岳―栂海山荘(17:35)

8月15日
栂海山荘(4:00)−黄連山―菊石山(6:00)−下駒山(6:00)−白鳥小屋(8:20)−坂田峠手前水場(9:40)−坂田峠(10:30)−尻高山(11:30)−二本松峠(12:30)−入道山―親不知(14:20)
親不知観光ホテル  (タクシー)―糸魚川駅(17:33)―(糸魚川線)−南小谷(18:43)−白馬駅―八方第五駐車場(泊)

8月16日
八方第五駐車場(4:00)−白馬−長野IC−藤岡JAC−本庄IC―本庄(中宅 7:30) 

2. 今回のコースの特徴
 このコースは北アルプスの3000mm級の山から日本海の海抜0mmまで標高を下げるのが特徴です。そしてその高低差の有ることにより、それぞれの標高の特徴や植生の違いが確認できます。
具体的には、栂池から朝日岳までは北アルプスの雰囲気で、乾燥した土壌に高山特有の小さな植物、朝日岳から黒岩平らまでは湿原、黒岩山から犬ヶ岳までは低木の生えたやや細い尾根歩き、そこから先は高い樹木の中を歩く低山、大きくその4つに分かれます。
 道は非常にわかりやすく標識もしっかりしています。ただ距離が長く黒岩山から先は名も無き小さなピークがたくさんあり、体力をかなり奪われます。「山と高原地図」のコースタイムで歩くのは少し大変でした。
水場は地図通りに有りますが、間が少し長いので夏はタンクを多めに持っていた方が良いでしょう。因みに私は3.5リットルもって行きました。

3.交 通
 夜、本庄から車で行き、白馬駅のバスターミナルの周辺の駐車場に置きました。八方第五駐車場という所です。かなり広くて、きれいな便所も有ります。朝、バスターミナルまで行き6:15分の栂池行きのバスに乗りました。栂池に着いたらゴンドラとロープウェイを乗り継いで自然園駅まで行きます。
因みに、バスが500円 ゴンドラとロープウェイが1720円と荷物が10Kg以上ですとさらに600円とられます。

 下山してからは、親不知観光ホテルで電話を借りてタクシーを呼び糸魚川駅まで行きます。値段が少し高いので注意です。5300円でした。そこから大糸線で白馬まで行きます。電車の数が少ないので事前に調べておいたほうが良いかも知れません。白馬駅からは徒歩にて駐車場まで行きます。20分ぐらいかかります。

4.山 行
 白馬のバスターミナルからバスに乗り30分ぐらいで栂池のゴンドラ乗り場に着きました。栂池と言う場所はスキー場ですが、夏は学生の合宿とかに使われていて、若者が多くにぎやかな場所です。私と寺沢さんが驚いていましたところ、中島さんが「夏もゴンドラが動いているのだからそういう所に決まっているだろう」。 さすが、今回の山行リーダー。冷静な判断。頼りになります。
 それからもっと驚いたのは、(SOS)なる得体の知れない団体です。ゴンドラに乗って少しすると下のゲレンデの平らな所で不思議な音楽にあわせて1000人ぐらい踊りを踊っているんです。朝の7時半頃ですよ。近くにはテントもたくさん有り、そこに泊まっていたのでしょう。私達とは住む世界が違う人たちの様です。
 それからもう一度、今度はロープウェイに乗ります。上がりきったところ栂池山荘やヒュッテ、ビジターセンターの建物があり、その脇を通り抜けると登山道があります。また、ここには最後の公衆便所も有ります。登山口には大きな看板が有りますので、すぐにわかります。

 天気は快晴、歩き始めは木や笹が背丈よりも少し高く生えており、風が来ないため少し暑かったです。
でも、道は歩きやすいです。しばらく行くと雪田が有り100mぐらいそこを横切る事になります。でも、それほど勾配が有るわけでもなく、足跡もしっかり付いておりますのでそれほど危険ではありません。
その先は大きな石の道になります。石のてっぺんに足を置き、バランスをとりながら歩くことになります。レベルの差が出てしまいます。そんな道は乗鞍岳を超えて白馬大池まで続きます。乗鞍岳の山頂は広くて石がいっぱいで大きなケルンが有りました。白馬大池は大きくて水のきれいな大きな池です。
近くに大きな木もなくとてもきれいな所です。その奥にある山荘も赤くて細長くて、その風景にマッチしております。
ここから先は、木もなく歩きやすい道になり、景色も非常にきれいです。白馬岳も見えとてもきれいです。
三国境の所で道が曲がっていますので、そこを斜めに行く近道らしき跡がありました。思わずそこを歩いてしまったのですが、そこが崩れやすい砂利道で、登山道に戻る少し前で砂利を雪崩のように崩してしまいました。幅2mぐらいで、長さが100mぐらい、秒速30cmぐらいで流れました。
この先、雪倉岳避難小屋まで三箇所ぐらい雪渓が残った場所が有りました。鉢が岳をまいて少し上がった所に雪倉岳避難小屋が有ります。
雪倉岳避難小屋は板の間で奥半分が30cm位高くなっております。20人ぐらいは泊まれるでしょう。私達が行ったときは10人強の方が利用しておりました。また、便所が小屋の中にあるため便利なのでしょうが、ちょっと臭いです。夜のまだ暖かい時には蚊がいしが、夜半過ぎには気温が下がりますので蚊も動かなくなるようです。シュラフぐらいは有ったほうが良いです。
 ここで針の木から登って来た今田さんと会い、たまたま親不知まで行くと言うことでしたので、今後一緒に行動する事になりました。大変明るい方で一緒に行ってとても楽しかったです。
次の日は朝5:00に出発。展望の良い雪倉岳、朝日岳と登り栂海新道と五輪尾根の分岐まで行きました。朝日岳の登りは斜面の向きと朝の日差しの向きがあってしまい、暑く苦しい登りとなりました。分岐からは少し樹林の中を歩きますが、すぐに開けて広い湿原となります。湿原の中を4時間近く歩き黒岩山まで行き振り返ると、その湿原の大きさに驚かされます。
 黒岩山からは様相が一変し、低木のやや細い尾根歩きが続きます。行き先の尾根が目で確認できます。
黒岩岳から少し歩くと、今日泊まるべき栂海山荘が見えます。その遠さにかなりガッカリさせられます。
それと、ここから先は名もなき小ピークがたくさんあり、体力を奪われます。私達はそのピークをボクシングにたとえてジャブと呼んでおりましたが、私個人的にはボディーブローと言う表現の方が良いと思いました。
 犬ヶ岳の登りの手前の水場は登山道から外れ、沢状の所を10分ぐらい歩かなければなりませんが、水量は豊富です。そこから、犬ヶ岳を登り栂海山荘となります。
栂海山荘はテント場と小屋があります。小屋は2階も有りますので、雪倉の3倍は有るでしょう。入ってすぐの所に食事の出来るテーブルが置いてありますが、お客さんが多くて私達は使い事が出来ませんでした。誰かが蚊取り線香を焚いてくれておりまして、その匂いが小屋の中に充満しておりました。
やはりここも蚊が多いのでしょう。私達は外で食事をしたのですが、外も蚊が多くて大変でした。寝床は2回になりました。階段が急で荷物をもって登るのが大変でした。夜は暑いくらいでしが、蚊取り線香のおかげで蚊がいなかったため快適に眠れました。感謝です。

 次の日は朝4:00に出発しました。どうしてもコースタイムより時間がかかってしまうので早めに出ました。ここからは樹木の高さが高くなり低山の雰囲気になります。相変わらず小ピークには悩まされます。途中の白鳥小屋ははしごで上に登れて展望が楽しめるようになっておりました。トイレではありませんが少しはなれたところにその場所が設けてあります。
坂田峠の手前は限りなく階段に近いはしごが数箇所あり、そこを下ると舗装した坂田峠に出ます。登山道は道の合い向かいに大きな看板が有りますのですぐにわかります。ここに車を用意しておいて帰る方もいらっしゃる様ですが、栂海新道の売りはなんと言っても3000mから海抜0mまでの歩きですから、ここで車を利用してはダメでしょう。もっとこだわるなら、そのまま海に飛び込まなければダメだと言う方もおります。
そう言ってやせ我慢をして先に進みなした。尻高山、入道山を超えて行きましたが、最後の入道山を超えてからまた小ピークがあり、気持ちがなえておりましたのでここは最後に厳しかったです。
 途中、鉄塔が2本ありここまで来ると親不知はすぐ近くです。親不知観光ホテルが見え、そこにジュースの自動販売機を確認できたときには最高に嬉しかったです。
@八方第5駐車場
 
A栂池高原駅
 
B登山口
 
C雪田
 
D乗鞍岳のケルン
 
 
E白馬大池
 
F雪倉岳の山頂
 
G栂海新道と五輪尾根の分岐
 
H親不知
 
周辺の花
アヤメ  
 
イワメクサ   ウサギキク
 
オオレイジンソウ   オタカラコ
 
カラフトダイコンソウ   シロバナクモマニガナ
 
クルマユリ   コマクサ
 
チシマギキョウ   チングルマ(果穂)
 
チングルマ   ニッコウキスゲ
 
ハクサンボウフウ   ヒオウキアヤメ
 
ミヤマアキノキリソウ   ミヤマシシウド
   
ワタスゲ