2008阿弥陀岳北稜＋スノーボード滑走

①簗取・飯塚　北稜上		梁取さん、Ｔさんと阿弥陀の北稜へ行ってきました。はじめ登攀のみの予定が、阿弥陀の山頂から狙っているラインがある、と言うＴさんの言葉で、Ｔさん、飯塚はボード持参に。３月８日　昼過ぎに美濃戸で待ち合わせ、梁取号にて赤岳山荘へ。天気はこの上なく最高で、すでに春の兆しが感じられる。行者小屋に向け歩き始めたが、いつもながらにきつい・・・途中カモシカとも遭遇し、予定通り４時頃テントサイトへ。テントを張り、さぁ～これから宴会の開始と思った矢先、Ｔさんの『明日の下見を兼ねて、“ちょっと”偵察に行って、滑れそうなところあったら滑りません？』の誘いに乗ってしまい偵察へ。自分の“ちょっと”の感覚がおかしいのか？Ｔさんの感覚がおかしいのか？定かではないが、1時間以上ハイクアップさせられてしまい、横を向くと明日登る北稜のジャンクションピークが同じ高さに。時間も5時を回っており、ほっとけば中岳の山頂まで登る勢いのＴさんへ、『このへんから滑りません？』・・・『あそこまで登りましょう！』結局Ｔさんの納得するところまで登らされてしまった。しかし、いざ滑り出すと、雪質は極上パウダー、あっという間にテントサイトへ。自分にとって今シーズン初のボードだったが、なかなかいけてた気がした。テントではすでに宴会開始状態にセッティング済み（梁取さん申し訳なかったです）お互い明日の登攀＆滑走の話をしながら、楽しい宴会となった。３月９日　5時起床、6時出発の予定が、いつものことだが、7時の出発となる。北稜は純粋に尾根をたどるのであれば、樹林帯の中を歩いて詰めるのだが、ボードが木に引っかかってしまうということもあり、中岳沢をある程度登り、JPの少し下から尾根に上がった。HPなどで見ると、かなり渋滞するだろうと予想していたが、先行パーティーはかなり前に、後続はなしと朝の段取りの悪さが功をそうしたのか？ JPで一息入れ、第一岩峰向かったが、なかなかの急登。皆息を切らす。そして、いよいよ第一岩峰登攀へ。岩峰は左へ回り込み、凹状を登るのだが、凹状も数本ある。一番最初に目につくクラックも登れそうだとは思ったが、先月末に深谷山岳会の方々が登った報告書を読ましていただき、やはり１つ目のクラックが一番難しそうだ。今回は自分がトップを任されたこともあり、迷いなく2つ目のやさしい箇所から登り始めた。ホールドは豊富にあり、安定した楽しい登攀となった。第一岩峰、第二岩峰、リッジと、3人とも無難に登攀し10時に阿弥陀の山頂へ着く。阿弥陀の山頂で一息入れ、Ｔさんへ滑走ルートを確認すると・・・また、えらいところ滑らされることに。Ｔさんの狙っていたラインは阿弥陀の頂上から、中岳へ向いて右の斜面。頂上からは、一度西面へドロップインし、頂上を巻くように東面にルンゼが伸びているので、山頂からはほんの30ｍぐらいしかルートが確認できない。しかし、急であることは容易に想像できた。体内からアドレナリンが分泌されるのが感じられる。また滑走の心配もさることながら、八ヶ岳をボードで滑ること自体があまりなく、入れ替わり立ち代りやってくる登山者が『え？ボード？どこから滑るのかしら？どこ滑るのかしら？』と注目の的になり、早くこの場から立ち去りたい気分に。そんな一時があり、いよいよＴさんのドロップイン！あいかわらずいい感じの雄叫びを上げ、姿を消していく。いつもであれば5分ぐらい時間を空け、ドロップインするが、今回ばかりは自分もすかさずドロップイン。『神様。どうかギャラリーの視野から消えるまではブザマな転倒だけはしませんように！』心の中で何回もお願いし滑り始めた。・・・が、雪質はかなりのクラスト状態。２～３ターンしたのち、エッジがすっぽ抜けしりもち状態。すかさず頂上に目をやるが山頂からは見えない場所だったので、自分の中で勝手に良しとした。しかしその後もルンゼ内はクラスト状態の雪質で、一度変な転び方をすれば、間違えなく下まで転げ落ちる。半ばチキン状態の滑りでルンゼを滑り、最後は中岳のコルへ向けてトラバース＆登り返し。中岳のコルで梁取さんを迎えることに。阿弥陀から中岳のコルへの下降は縦走路の中でも特に注意が必要な程、急である。梁取さんも慎重に降りてきている。『梁ちゃんファイト！』『梁ちゃんガンバ！』2人の大声が山中に響き渡る。無事コルにて合流し、梁取さんは中岳沢を下山。Ｔさんと自分は中岳まで登り、中岳山頂から行者小屋に向けて滑ることに。山頂に着くとナイスな斜面が広がっており、また変なプレッシャーもなく、やっと純粋にボードを楽しめそうだ。ファーストランを譲って頂いたので、滑り出す。こちらも上部はクラストしていたが、滑るにつれ極上のパウダーに。パイプ状の沢を当て込みながら滑ったが、『俺、かなりいけてない！！』という滑りができた。テントにＴさんが滑って戻ってきた第一声が『ファーストラン譲らなければ良かった・・・』ご馳走様でした。今回の山行は天気よし。登攀よし。滑走よし。と最高でした。まだまだ八ッには石尊稜・天狗尾根・小同心クラック・阿弥陀北西稜・権現東稜・・・と登りたいルートがたくさんあるので、当分楽しませてくれそうです！梁取さん、Ｔさんまた計画立てましょう！
②阿弥陀岳山頂
③阿弥陀岳ＥＸルンゼ
④飯塚、阿弥陀ピーク直下のライディング
⑤阿弥陀ルンゼ全貌
⑥中岳のオープンバーン
⑦マジックライン
⑧帰路の南沢で会ったボーダー		⑨中岳に残る余韻