南八ヶ岳
平成21年3月20日〜22日(縦走)
参加者: 飯塚
たらっぺ山の会 飯塚(筆)


A 権現岳南面


B ひたすらラッセル


C 権現岳山頂


D 権現岳より旭岳への稜線


E 権現岳直下の長〜い梯子


F キレット小屋


G 赤岳


H 赤岳より
(左上の前三ツ頭から右下のキレット小屋を経て左手前の赤岳へ)


I 赤岳より
 (横岳および、奥に硫黄岳)


J 八ヶ岳稜線にてワンちゃんの散歩


K 硫黄岳


L 天狗岳
(奥が東天狗岳、ボード向きの斜面!)


M 本沢温泉
 

20日
  天女山入口(7:00)〜権現岳(14:00)〜キレット小屋(17:00)

21日
  キレット小屋(7:00)〜赤岳(9:30)〜横岳(11:30)〜硫黄岳(12:30)〜天狗岳(15:00)〜本沢温泉(17:00)

22日
  本沢温泉(6:00)〜松原湖駅(8:30)


秘かに計画していた、南八ヶ岳の縦走にこの3連休で行ってきました。
出発前の予報で天気があまり芳しくなかったが、徐々に予報も良くなってきた為決行。


【20日】

予報通りの雨…
天女山入口に車を止めるが辺りは一面ガス。天女山まではハイキングコースの為、天気の回復を期待しつつ出発。天女山に着き、雨は降り続いているものの、ガスは薄くなってきている。予報でも午後からは晴れる。天気は間違いなく良い方向に行っている。

権現への登山口入口に登山計画書入れがあったので、計画書を入れ、中を覗くと、先週に2パーティー権現岳まで入っているらしい。このルートはマイナーな為、ある程度ラッセル覚悟で予定していたが、トレースが付いていれば意外と早くキレット小屋まで着くと思ったが…

前三ツ頭まではバッチリトレースがあり助けられたがトレースはここまで。
先週の2パーティーはここで引き返したようで、この先行くかどうか悩む。
ワカンも持ってきていないし…
14時まで頑張り、見通しがたたない様なら敗退と決めラッセル開始。

足は潜るが雨のおかげもあり、湿雪で何とか三ツ頭に着き、目の前に権現岳が現れる。
この時点で12時。頭から敗退の2文字を消す。

権現までは急登だが、かえって斜度があるほうが登りに集中できる。そして権現へ登頂。
天気も大分回復してきたので先を急ぐ。

しかし権現岳から旭岳までの稜線も気が抜けそうもない。慎重に歩を進める。途中、長く、傾斜のあまりない梯子があり、傾斜がないためかえって足に負担が掛かり、足がつりそうになりながら、ツルネへ。

ツルネに着くとハッキリとしたトレースが再度現われ、なんとかキレット小屋へ到着。
夏時間で5時間の行程のところ、倍の10時間も掛かってしまった…

急いでテントを張るが、風が強い。経験したことのない強風だ。テントの中で飯支度をする時も、自分の股にバーナーを置き、あぐらでテントの揺れを押さえないと火も点けられない。パッと飯を済ませ寝袋に入るが、テントの揺れで眠るに眠れない。テントは考えられない捩れをし、まるでテントの耐風テストのようだ。2度程夜中に外に出てロープの張りの確認をする。あとはエスパースを信頼し、意地で眠りにつく。

【21日】

人間、まわりがどんな状態であろうと、シュラフで暖かければ寝れるものだ…
夜中1時間ごとにテントの揺れで目が覚めたが、朝方はかなり熟睡することができた。
風は相変わらず強いが、目覚めも疲労回復もまずまず。

今日は朝一から赤岳への急登が待っている。早く登山者の大勢いる赤岳に行きたい気持ちを抑え、朝飯、水分を十分に取り出発。

一歩一歩はゆっくりだが、雪は完全に締まっており、アイゼン登行が気持ちよく進む。
登り始めて少しして小休憩していると、阿弥陀方面(立場山?)からやってきたという青年に会う。昨日は『孤独の人』状態だったので、妙にうれしい。かるく雑談し、その後、彼の足跡を追い赤岳に着く。

赤岳。さすが八ヶ岳の主峰。一気に、にぎやかだ。ここからは登山者も多く、風は強いものの、晴天の中、主稜線を満喫する。

すると、横岳方面から犬を連れた登山者が!あまりにも珍しい光景なので、写真を取らせていただき、雑談。なんでも登山のスキルはご主人よりワンちゃんの方が高いとか。

横岳に着くと昨年末登った杣添尾根が現われ、トレースもしっかりついていた。自分の今冬シーズン一発目が杣添尾根で、あの時は完全にヨレヨレだったのを思い出す。

そして硫黄岳を過ぎ、夏沢峠へ。
計画ではこの辺で時間切れと考え、オーレン小屋幕営を予定していたが、まだ13時。
時間に余裕もあり、また今回の最大のミス、酒を一滴も持ってくるのを忘れた為、昨日は何ヶ月(何年?)ぶりの休肝日で、体がアルコールを欲している。天狗岳まで行ってしまい、通年営業している本沢温泉で幕営することに決め、天狗岳へ。

天狗への縦走路は風の通り道のようで、ことさら風が強い。しかも横風なので、体を斜めにし歩くが、急に風が止みよろける。これがリッジ上だったらと考えると、自分の歩行技術もまだまだ、と反省。

太陽が傾きかけた15:00頃天狗岳に到着。先には東天狗岳がそびえ、斜面がおいしそうだ。
東天狗岳まで足を伸ばそうとも考えたが、往復40分。足もかなりガタがきていた為、またいつか来よう!と自分を納得させ下山する。

本沢温泉に17時着。本沢温泉は、冬季に入れる日本一高い場所にある温泉との事。自分の好きな硫黄の臭いがたまらない。しかし、入ってまた同じ汗臭い服を着るのも気が引け、こちらも次回のお楽しみとし、小屋でビールを買い、昨日、今日の行程を思い出しながら就寝。

【22日】

今日は下山のみだが、ラジオの天気予報で、午後から崩れるとの事で、早めに出発。
2時間30分の行程で、松原湖駅につく頃には雨も降り出していたが、なぜか心地よく感じた。