2014 谷川岳東尾根

		一人凄腕クライマーがいました！　谷川岳登山指導所に到着したのは0時を過ぎてしまいました。そこでまず登攀道具の選定をしていただき、東尾根に必要な装備だけをセットし軽量化を図りました。無駄なものが多くやはり経験を積まないと道具のベストメンバーをチョイスするのは難しいです…。　デイジーチェーン、スリングなどハーネスに装着するものを準備をします。完了し指導所の床の間で仮眠。2時過ぎに起床して、半には出発！　一の倉沢沢出合いまで約1時間で到着！デブリがすごい…ゴツゴツした雪塊が両サイドにあります。自然の脅威を感じつつ、月明かりに照らされている一の倉岳が素敵でした。シンセンのコルまでは急登が続きました…言い訳ですが、前日に熊谷サクラマラソンのハーフに出場し身体が疲労気味でした。しかし蓮沼さんは四駆のごとく急登をグイグイ登って行きます。途中に一回小休止します（自分のため）。足が…ヤバイ。蓮沼さんすごい…体力だー。武甲山で歩荷をして日頃から鍛えているだけあって力強いです。体力の差を感じつつ、ゼーハーしながらなんとか7時前にシンセンのコルに到着！小休止で行動食補給。ここからは緊張感と集中力のいるところです。　まず第二岩峰がみえます。ここでザイルを出します。セルフを取る場所をクライマーからレクチャーをしていただきビレイを開始。グイグイ岩峰をのぼって行きます。途中したからみてもグズグズの雪の斜面があり、あそこ難しそうだなとみていると、たらっぺお手製のスノーバーが登場しました。登攀をしながら支点を構築していきます。やっぱりトップはかっこいいですねえと蓮沼さんと話していました…。　ん？なんか変な文章ですが…。無事に第二岩峰を超えました。さてここからは雪稜、雪庇がたくさん出現します。奇跡の生還劇の話を聞きました。たらっぺの福田さんの仲間があそこから滑落したとか、雪庇ごとマチガ沢に落ちて生還した方のはなしなど…。　トラバース開始しますが、先行の蓮沼さんはベテランアルパインクライマーのようにガツガツ前に前進。怖くないんですか?「落ちたら落ちたで。その時は仕方ないですね」えっ…(^^;;さすが普段から高いところにいるだけあります！すごい^_^わたしは…足がプルプルと疲労し、トラバースをしていました。するとドッカーン、ドッカーンと数回大きな音が。ある方に尋ねると、雪崩の音だよと聞きました。さらに暖かくなったからここも早く抜けないと危ないよと言われ生きた心地がしませんでした。ピッケルとアックス、足を雪稜にガツガツ蹴り込み、差し込み必死です。ところが、足場が一度崩れて身体が下にいきました。まずいマチガ沢に落ちる…。アックスもピッケルもしっかり決まっていたかにおもいましたがだいぶ下に切り込みながら下がりました。すぐに止まりましたが、危なかったなと声をかけられて、さらに血の気が引き、へっぴり腰でトラバースしました。　なんとか国境稜線に着いた時にはへばりはてお昼が近くなっていました。しかし雪庇の状態が悪く左から雪庇を巻いて山頂へ。ぐったりでしたが、東尾根は恐ろしいバリエーションでした。でも最高に気持ちよかったです。　帰りは西黒尾根を下山します。西黒尾根は昨年のほぼ同じ時期にいきましたが下山でははじめてです。こちらも途中鎖場が凍結していたりマチガ沢の方へ切れ落ちている斜面は足が疲労している自分にはヒヤヒヤでした。　14時過ぎに無事に指導所に到着。達成感もありましたが、なにより安堵感がありました。緊張のバリエーションルート東尾根でした。　次はマラソンの後日には絶対にいきません。修行します。蓮沼さん、クライマーさんありがとうございました^_^

平成26年3月24日　プチバリエーション
参加者：	太田山岳会蓮沼さん・篠原・他１名
記録	たらっぺ山の会　篠原（筆）