「親不知海岸までの道をたどって」2日目
自 平成17年8月27日〜 至平成17年9月9日
たらっぺ山の会 石橋 (筆)

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8月28日 晴れのち曇り
    西穂高山荘(5:30)→奥穂高山荘(15:00)
西穂まで。。

西穂まで。。



天狗の逆層スラブ

天狗の逆層スラブ



ジャンダルムをバックに奥穂高岳頂上

ジャンダルムをバックに
奥穂高岳頂上
 4時起床。相棒は寒くてよく寝られなかったとのこと。ラーメンを食べ5時に出発。 
 中高年多し。自分たちもペースが早くなく歩調があうのでスムーズに進むことができる。

 西穂までのピークは独標などの小ピークが連なるためアップダウンが続くがそれほど悪くはない。相棒もしっかりと歩けている。3時間で西穂着。西穂は5年くらい前に茂島さんと歩いたことがあるので難なくこなせた。ピークからこれからの登路がはっきりと見渡せ、ジャンダルム、奥穂の勇姿も素晴しい。これからがこの旅の核心部だと気を引き締めた。相棒は自分のスノーボードの滑降前の顔つきなどで今後現れるものがどのくらいのレベルかわかっているらしい。相棒に頑張ってもらうよう少しオーバーに装う。

 間ノ岳、間天のコルは難なく通過、前方に見える天狗の頭の逆層のスラブは少しいやらしかったが歩いてみると登りのためかさほど労せず天狗の頭へ着く。天狗のコルへ急降下して畳岩尾根ノ頭へ登り返す。コブ尾根の頭で休みを入れる。もう目の前がジャンダルムだが遠くから見るよりも小さいと予想に反している。どのパーティーも休みを入れていて登っている姿は見えない。

 時計は12時なのでスタート。躊躇なくジャンダルムを直登する。すぐに10m四方のピークに達し前進し端まで行くとかなり切れ落ちている。シュリンゲが付いてはいたがクライムダウンするには自分ができても相棒には無理だ。いくら悪路といっても所詮、一般縦走路こんな悪いはずがない。どっかトラバース道があるはずだとすぐに引き返す。幸いに相棒はジャンダルムを登り初めて間もないらしく下からルートの確認をお願いする。岳沢側に明瞭な登山道があることがわかり相棒に先に回り込んでもらい自分は易しい箇所からクライムダウンして合流する。何故か岩に登りたくて突っ込んでしまったがこの長い旅を楽に進めるには細かな所で安全にかつ無理のないルート取りをしなくてはいけないと反省する。ロバの耳を通過すると馬の背リッジだ。前のパーティーが詰まって渋滞しているので飛騨側をトラバースして一般道に合流した。もう奥穂は近くに見えているので相棒を山頂で迎えようと先を急ぎ、最後の岩稜帯ではあるもののなだらかな稜線をつなぎ奥穂高岳に到着だ。ガスが出てきて視界は悪くなってきた。しばらくするとしかめっ面の相棒もやってきた。よしよしよく頑張ってくれたよと心の中で優しく微笑んであげる。風も出てきたので穂高岳山荘までの下りを急ぐ。

 奥穂は二回目で一回目は井上さんと岳沢から南稜を突破してピークを踏んだ。あの時は夏で一度目は大久保も一緒で大雨で敗退して二度目で成功した。たしか山頂は雨で寒かった記憶があった。  

 山荘で手続きをしてテントを張るが、ここの天場は狭くて張りにくかった。夜は寒くて飛騨側の白出のコルからの風が強くテント内で5℃だった。相棒は夜中にコンロを焚いていた。寝袋に入ると今日歩いた道が思い浮かび、また何故か早くも懐かしくも感じられる。疲れている証拠だ。

 それにしても飯塚勝也良くぞ頑張ってくれた。これで日本海までいける確証を得ることができた気がしたのでぐっすり眠る。

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