「親不知海岸までの道をたどって」 7日目
自 平成17年8月27日〜 至平成17年9月9日
たらっぺ山の会 石橋 (筆)

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9月2日 晴れ
    船越小屋(7:00)→針の木小屋(13:00)
針の木岳

針の木岳
 
 空は早くも秋である。くっきりと雲も景色も見渡せ、夏のざわめきも消えてしまっている。何故か寂しさも感じるが。

 今日はボーナスステージで針の木までだ。蓮華の大下りを登らなくてはいけないが。毎日登ったり下ったりしていると登ることにアドレナリンを生じなんとも思わなくなる。全てのもの事と同様で精神的なものだが登っている最中より登る前の辛いだろうなと考えることが一番の核心なのだが。

 北葛岳に出ると蓮華岳への登り返しが見渡せた。少しざれていることを除けばおいしそうな登りだ!相棒が先に行き、あっという間の2時間であった。

 ここから針の木小屋までは目と鼻の先である。お昼に到着。ラーメンを小屋で食べ、中で山の雑誌などを読む。活字離れしているので目の速度が遅い気がした。昔の岳人の記事に「自我は成長せず、無我は成長する」ということが載っていた。まさにその通りだと感心した。今の自分自身にとっての無我とは下界のことなど忘れ去り一歩一歩進むことなのである。話すことがないので相棒と偉そうにそんな話をしてみたりする。 

 針の木小屋は相棒とは2回目だ。前に山ボードで来たことがありそのときは小屋の半分が埋まっていた。テント場で黒部ダム方面を望みながらくつろぎ今日の一日は終わろうとしていた。

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